日本が発見したモンスター銀河「オロチ」…
宇宙は謎ばかりだと話題に…
銀河の誕生や成り立ちは未だ解明できていないことが多く、謎に包まれています。
しかし、日本人を中心とする研究チームの観測により、
その謎の一部が解明されるかもしれません。
これはモンスター銀河と呼ばれる巨大銀河の観測によるものです。
今回はそんな日本が発見したモンスター銀河を紹介します。
モンスター銀河
モンスター銀河はスターバースト銀河の一種です。
スターバースト銀河とは一般的な銀河よりも
勢いよく星を生み出している銀河のことを指します。
モンスター銀河はその中でも特に爆発的に星を生み出している銀河のことを言います。
私たちの住む地球は天の川銀河の中にありますが
天の川銀河では年に10個ほどの恒星が生まれているとされています。
それに対し、モンスター銀河では
なんと1000個以上の恒星が生まれていると言われているのです。
こういったモンスター銀河は現在1000個ほど見つかっています。
日本が発見したモンスター銀河「オロチ」
数年前に日本が運用する望遠鏡アステの観測により、
モンスター銀河よりもさらに明るいモンスター銀河が118億光年先で発見されました。
このモンスター銀河は日本の神話に出てくるヤマタノオロチにちなみ
オロチと名付けられたのです。
アメリカの観測チームは様々な角度からオロチを調査しました。
通常のモンスター銀河は星を活発に生み出しているため、
暗いことが多く、可視光線での観測は難しいという特徴があります。
しかし、オロチは可視光線での観測も可能だったそうです。
これはモンスター銀河の謎を解明する手がかりになるかもしれません。
オロチが明るく輝く理由
なぜオロチはそんなに明るいのでしょうか?
これは重力レンズ現象によるものでは?と考えられています。
重力レンズ現象とは手前にある重力が大きな天体により、
その天体よりも遠くにある天体の光が重力の影響を受けて曲がり、
レンズで光を集めたような状態を作り出し、
通常よりも明るくなることを指します。
虫眼鏡で太陽の光を集めた時を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
オロチのある方向とほぼ同じ方向に暗い銀河があり、
この銀河によって重力レンズ現象が起こっている可能性があるそうです。
通常のモンスター銀河は暗いため観測しにくいのですが
オロチは明るいため観測しやすいのです。
そのため、観測を続けることでモンスター銀河の謎が解明されるのでは?と期待を寄せられています。
さらにオロチが光り輝く理由が重力レンズ効果によるものではないとすると
新たな銀河の進化の過程が見つかる可能性もあるのです。
モンスター銀河が星を生み出す仕組み
さらに最近、日本人を中心とする研究チームが
モンスター銀河の一つである巨大楕円銀河の詳しい観測に成功しました。
国立天文台の特別研究員らは南米チリのアルマ望遠鏡を使って
しし座の方向124億光年先にあるモンスター銀河の観測を行いました。
124億光年先というのは124億年前の姿ということを表しており、
まだ生まれたての銀河ということを示します。
今回の観測で星を生み出すガスの分布を詳しく描き出すことに世界で初めて成功しました。
これによりモンスター銀河で爆発的に星が作り出される仕組みが解明されたことになります。
それによるとモンスター銀河はガスを収縮させる力が強いため、
通常の銀河のように星の形成が抑えられることなく
星がどんどん作られる状態となっているそうです。
さらに観測を続けることで銀河誕生の謎が解明されるかもしれないと期待が寄せられています。
観測技術の進歩により、より遠くの銀河や星の観測が可能となりました。
これまで謎に包まれていたことも直接観測することで解明するかもしれませんね。
ネットでの反応
・新しい星がまだまだ生まれれ続けてるんですねえ。
日本の科学技術もお金もこういうところに使ってほしいです・滅茶苦茶遠いのに見えるって何か不思議
・オロチ、探してみましたが家の望遠鏡では観測は難しいですね(笑)