亡くなるまで続けられたイジメ…
エスカレートしたイジメは鬼畜の所業へと化す…



全国の小中高を対象としたイジメ調査の結果、
2014年のイジメの件数は約18万8000件に上りました。

日本全国に20万人近い児童生徒が
イジメの被害に遭っているという事実に驚かされますが、
この数字は依然として氷山の一角と言われています。

なぜならこの約18万8000件という数字も
当初は約3万件も少ない数字で発表されようとしていたからです。

亡くなるまで続けられたイジメ

2015年7月、岩手県の中学生が電車に飛び込み亡くなりました。

この中学生が残したノートにイジメの記録が見付かり、
事態を重く見た文部科学省はイジメ調査のやり直しを決定。

その結果、当初の件数よりも約3万件も多くのイジメが発覚したのです。

調査をやり直したら
更に数字が上がるのではないかと疑わざるを得ません。

それほどイジメの実態は隠されるものなのです。

多くの場合は担任や校長を初めとした学校の隠蔽体質ですが、
それだけではありません。

イジメられている多くの児童生徒にとって
イジメを受けているという事実は
恥ずかしいものであり、人に知られたくないことです。

そして、心根の優しい少年少女にとっては
親や教師といった周囲の大人に
「心配させたくない、迷惑をかけたくない」と隠そうとしてしまうものなのです。

今回紹介する被害者はそのような心根の優しい少年です。

昨年2015年の6月。
19歳の工藤勇人さんが全身に暴行を受け
意識不明の状態で発見されました。

工藤さんは病院へ運ばれましたが1ヵ月後に死亡。
工藤さんに暴行を加えたのは高校時代の同級生でした。

大阪府警は傷害容疑で高校時代の同級生2人を逮捕。
2人は傷害致死罪で起訴されました。

工藤さんは2人から殴る蹴るの暴行を受けた末、
わずか19年の短い生涯を閉じた。

捜査で明らかになったのは高校時代から
4年近くも続いた陰惨で壮絶ないじめでした。

高校を退学しても続いたイジメ

工藤さんは高校を卒業前に退学しています。

事件で発覚したイジメの事実を考慮すると
加害者の2名と距離を置くための
退学だったのではないかと予想されます。

しかし、加害者は工藤さんの退学後も
自宅に押し掛けるなどしてイジメを続けました。

工藤さんが意識不明の重体に陥ったその日は
およそ人間のやることではないと思われる残忍な行為が行われていました。

当日、加害者の2名は工藤さん宅を訪れチャイムを連打。

出ないとなると勝手に家に上がり込み、
両親が不在で家に一人だった工藤さんを近くの公園へと連れ出します。

2人は長時間に渡って殴る蹴るの暴行を加え、大声で工藤さんを恫喝。
近隣の住民に注意されると違う公園へと場所を変え、
そこでもまた暴行を加えます。

長時間に渡る暴行の末、
工藤さんは意識不明の重体となり1ヵ月後に亡くなりました。

イジメの現場を目撃した住民の通報ですぐに警察が到着。

警察の捜査に2名は当初
「ふざけていたら公園の遊具の上から落ちた」と
嘘の証言をしていましたが、警察の追及によって事実が発覚。

高校時代から長年に渡り
イジメが行われていたことが判明します。

捜査を進めるにつれ、
警察は2名のおよそ人間のやることとは思えない
残忍な行為に驚きを隠せなくなります。

イジメの様子をスマホで撮影していた

2人のスマートフォンには工藤さんに繰り返し暴行する様子が残されていた。
なぜ動画を保存していたのか問いただした捜査員に2人は何食わぬ顔で答えた。

「自分の技が決まった瞬間をとっておきたかったし、
技が決まったかどうかをしっかり確認したかった」

残されていた動画は4本で数秒~数分程度だったが、
捜査関係者は「いずれも見るに堪えない光景だった」と明かす。

イジメがスタートしたのは高校2年生の頃からと言います。

工藤さんが亡くなるまでの4年の間にイジメはどんどんエスカレートし、
2名は人間性を失い続けました。
そしてついには人命を奪うまでに至ったのです。

この4年という月日のどこかで工藤さんを救出するタイミングは無かったのか。

これを難しくしたの要因の一端は
前述したような工藤さんの「優しさ」でした。

工藤さんは高校時代に一度自分がイジメを受けている事実を学校へ伝えますが、
「先生たちに迷惑をかけたくない」という理由で口外しないよう求めます。

その後の学校側の対応の不味さもあり、
イジメは解決されることなく工藤さんは学校を退学します。

工藤さんの両親は息子がイジメられている事に気付けなかったのでしょうか。

工藤さんの母親は次のように話しています。

「小さいころは本当に天真爛漫でよく笑う子だった。

亡くなる直前も何の拍子か『お母さん、いつもありがとう』と言ってくれたのに…

主人も私も共働きであの子の苦しみに気づいてあげられなかったんです」

親に心配や負担を掛けたくないという
工藤さんの思いやりが伝わるように感じられます。

この工藤さんの優しさや思いやりに付けこみ亡くなるまで
暴行を続けた加害者の2名は余りにも残忍で
鬼畜という言葉が頭をよぎります。

工藤さんのように亡くなるまで
重大事態が発覚しないケースはきっと少なくないのでしょう。

冒頭でお伝えした約18万8000件という件数が
氷山の一角と言われる理由はこういうことなのです。

この事件からも分かるように
イジメというのは続く程にエスカレートするものです。

イジメはその性質から最悪のケースに向かって
レールが引かれているものと言えるでしょう。

我慢していればいつか終わるという生易しいものではなく、
行き着く先は死と考えた方が良いのではないでしょうか。

この最悪の事態から被害者を守るためにどこかでイジメを止めないといけません。
工藤さんの死はこの事実を社会全体に突き付けているように思います。

ネットでの反応

・加害者の2人を工藤さんと同じ目に遭わせたい

・事件当時未成年だったからか、犯人はこれだけのことしておいて名前も出ないのな

・良い人が報われない最悪の事件だな 胸糞

・実生活でこんなに腹立つことないっていうぐらい腹立った その2名の名前出せよ

やはり許せないという意見がほとんどで
少年犯罪の常ですが「名前を公表しろ」という意見が非常に多かったです。

良い人が報われないなんて事が当たり前に起こる世の中を
「そういうものだ」と思ってしまって良いのか深く考えさせられます。

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